あしあとのかたち

物理学を学ぶ大学生が思ったことを書きます

計算ミスに悩むあなたへ

 

 

 

こんちには。

 

大学の講義がオンラインのままです。

 

意外とオンラインのほうが忙しくて、あまり暇がありません。

 

そういったこともあり、

最近会話をするのは週1回のゼミで教授と話すときくらいです。

 

そもそも家から出るのが週2,3回くらいです。

 

ゼミで1回と食料調達で1,2回です。

 

これくらい人と話さなくなると人間は自分の声を忘れます

 

買い出しに行って、

スーパーの店員さんからの

袋いりますか?

の返事で自分の声を思い出します。

 

それと久々声を出すとうまく声が出ません。

 

同じような方結構いらっしゃるんじゃないでしょうか。

 

こういったときは、

レジに行く前に周りに聞こえない程度に練習しておくといいかもしれません。

 

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好きな風景

さて、

今回は計算ミスを減らすにはどうすればいいか

ということについて書いていきたいと思います。

 

普段から計算する機会がある学生はもちろんのこと、

重さの違う2つの商品のどちらがお得かを見極める主婦の方々にも

計算力は役に立ちます。

 

普段からかなり計算する僕が、

実際に計算するときに気を付けていることなどを思いついた分だけ

書いていきたいと思います。

 

よく計算ミスするので説得力はありませんが。

 

2桁×2桁の計算というよりも数学などでの計算を想定しています。

 

計算する前に

 

 

 

・適切な座標系を選ぼう

 

何かの図形を調べるときそれに適した座標系を選ぶことが大切です。

 

例えば、円を調べたいと思います。

 

円をデカルト座標(格子状の座標系)に乗せると方程式が少し複雑になります。

 

複雑といっても、

原点中心の円の場合、x^2+y^2=a^2(a:半径)でそんなに複雑ではありませんが。

 

しかし、

極座標に乗せるともっと簡単になります。

 

r=aです。

 

円の例はあまり座標の恩恵を実感することができませんが、

もっと複雑な図形を考えるときは威力を発揮します。

 

対称度の高い図形にはその対称性を生かす座標系を選びましょう。

 

原点対称な図形には極座標を使うことが賢明です。

 

 

・式の意味を考えよう

 

式には必ず意味が伴います

 

立てた式が自分の意図するようなことを意味しているか

計算する前に確認しましょう。

 

いくら計算が合っていても、

立式が間違っていたら元も子もありません

 

それと、

その式が意味することを明確にしておくことで計算しやすくなり、ミスも減ります。

 

自分が今何をしているか分からないという状態がミスのもとです。

 

・次元をチェックしよう

 

3cm+5cm^2なんていう式は意味が通りません。

 

足し算引き算の間では次元がそろっている必要があります。

 

単位といってもいいでしょう。

 

また等号、不等号の間でもそうです。

 

しかし、

かけ算わり算についてはその限りではありません。

 

面積6cm^2の長方形の一辺が2cmだとします。

 

もう一辺を求めるには6cm^2÷2cm=3cmです。

 

かけ算わり算では次元もかけ算割り算されます。

 

面積(長さの2乗)を長さで割ればその式の次元は長さです。

 

立てた式の両辺、全ての項の次元がそろっているかチェックしましょう。

 

これが立てた式があっている必要条件です。

 

 

 

計算するときに

 

・係数を約分できないかチェックしよう

 

両辺全ての項に共通の因子がかけてあれば

その因子が0でない限りそれを落とすことができます。

 

約分できるときはなるべく約分しましょう。

 

式が複雑なのはミスのもとです。

 

・掛け算割り算では10を作ろう

 

これはみなさん当たり前のようにやっていると思うので言うことはありません。

 

10をかけるというのは桁を1個ずらすだけなので、

この性質を活用しましょう。

 

 

・掛け算割り算は最後にやろう

 

分数は最後まで残しておくと後悔しません。

 

途中で変に約分してしまっては最後にまた約分する羽目になります

 

最後まで分数を残しておけば最短の約分で済みます

 

(これは一つの項の中での話です。)

 

・指数は右肩に寄せよう

 

√(平方根)と1/2乗は同じです。

 

√くらいならそのまま書いてもあまり影響はありませんが、

3乗根の2乗と書くのは分かりづらいです。

 

こういう時は2/3乗と書くのがいいと思います。

 

こう書くことで約分が間違えにくくなったり、

共通因子をくくりやすくなったりします。

 

・偶奇性に着目しよう

 

数の偶奇というより関数の偶奇です。

 

奇関数を-a→+aまで定積分したら、

その値は必ず0になります。

 

偶関数だったら、

その値は0→+aまでの定積分の2倍になります。

 

これは幾何的にもわかりやすい特徴ですが、

膨大な量の積分をやるとなると、

こういう性質を使わないと大変なことになります。

 

また、

奇関数×奇関数は偶関数のような関係もあります。

 

偶数奇数の和の関係を全く同じです。

 

(積は違います)

 

この関係を意識することでミスに気づくこともあります。

 

例えば、

sinx×cosxをテイラー展開するとします。

 

sinxは奇でcosxは偶なので全体では奇です。

 

なので、

そのテイラー展開には奇数の正べき(x,x^3,x^5...)の項しか現れません。

 

よって、

この展開に偶数べきが現れたら計算ミスだと分かります。

 

・次数ごとにまとめよう

 

これは中学校で初めて文字を含んだ計算を習うときに教わるんじゃないでしょうか。

 

基本的に、

変数の次数ごとにまとめるといいでしょう。

 

そうすることで式の特徴をつかむことができます。

 

変数が原点近傍の時は、

次数が大きい項ほど早く0に収束するので、

一番次数が小さい項がよく効きます

 

逆に、

無限遠点での振る舞いは最高次数の項が支配します。

 

 

・途中式を書きすぎない

 

例えば、

(x^3+2x^2+1)(3x^2+5)を計算するとします。

 

みなさんはどう計算しますか?

 

最初にとりあえず展開してから次数ごとにまとめる

という方もいるんじゃないでしょうか。

 

僕が勧めるやり方は次数ごとに一気にやってしまうというものです。

 

まず、最高次数を考えます。

 

3次式と2次式の積なので最高次数は5次です。

 

なのでまず3x^5が計算されます。

 

次にx^4の係数を求めます。

 

4乗の可能性としては、

左の式の2乗と右の式の2乗の項の積で4乗となるものしかありません。

 

(もし右の式に1乗の項があれば、

それと左の3乗の項の積も4乗になります)

 

という具合にやっていきますが、

係数が0となる項ももちろん出てくることがあります。

 

今回は1乗の項を作れないのでその項は0です。

 

こうすることで早く計算できますし、難しくもありません

 

また、

1度展開してからまとめるやり方だと、

1行の計算式の中で何も計算せずにコピーするだけの項が出てくるかもしれません。

 

このコピーがミスの原因です。

 

意外と写し間違えるものです。

 

コンピュータのようなコピペ機能は人間にはありません。

 

普段計算するくらい計算に慣れていれば、

ある程度頭の中で計算したほうがミスが減ります

 

それに先を見通しながら計算を進めることができて気が楽です。

 

これ積分できるの?

高階微分してもきれいにまとまるの?

この微分方程式解けるの?

 

最近の僕のよくある不安です。

 

計算後について

 

・検算しよう

 

これは皆さんもやっていると思います。

 

方程式の解を求めたら最初の式に代入して等号が成立するか、などなど。

 

 

日ごろの心構え

 

・無駄な公式は覚えない

 

教科書に公式として載っているものすべて覚えるのは賢明ではないと思います。

 

もちろん、毎回導出してはやっていられない公式は覚えるほかないと思います。

 

しかし、他の公式から簡単に導出できる公式は覚えないほうがいいです。

 

うろ覚えだったらミスにつながります。

 

例えば2,3倍角の公式は加法公式からすぐに導出できますが、加法公式の証明は確かかなり面倒だった気がします。

 

大学生なら、

加法公式の代わりにオイラーの公式を覚えたほうがいいと思います。

 

というか試験ではないなら公式を覚える必要はないと思います。

 

分からなかったら教科書を見ましょう。

 

高校までは暗記が多かったと思いますが、

分からなかったら教科書を見ようというのが大学の勉強の基本姿勢だと思います。

 

・次の日考えよう

 

計算した結果、答えが間違っていることはよくあります。

 

しかし、

どこが間違っているか

間違えた本人が探すことはなかなか困難です。

 

少し探しても見つからなかったら、

時間をおいてみるといいと思います。

 

そうすると意外にあっさりと見つかるものです。

 

・日ごろから計算しよう

 

普段計算していないと計算力は落ちます

 

僕も長期休みとかで1週間くらい計算しなかったことがあって、

そのあと計算したらめちゃくちゃ鈍くなっていました。

 

学生なら普段から計算する機会がありますが、

そうでないならなかなかそういう機会はないと思います。

 

そういう方にお勧めなのは、

車のナンバープレートや本の裏のバーコードに書いてある数字を

適当にかけたり足したりするというものです。

 

僕の九九を覚えるとき、ナンバープレートの数字で掛け算してました。

 

・暗算に挑戦しよう

 

やはり書いて計算するより暗算するほうが早くて楽です。

 

また、書き間違えもなくなります

 

暗算は間違えやすいんじゃないかと思われる方もいらっしゃると思います。

 

僕も以前はそう思っていました。

 

しかし、

暗算がある程度できるようになった今では暗算のほうが正確で速いなと思います。

 

2桁×2桁とかの暗算はあんまりしないので得意ではないですが、

簡単な微積分の計算や1,2次方程式を解くのは暗算のほうがやりやすいなと思います。

 

結局は慣れだと思います。

 

物理学はかなり計算が必要で、

毎日何十回も同じような計算をしていると

暗算できるようになります。

 

なんというか、

頭の中に白紙を想像したり、柄のない壁をノートに見立てたりしてやると

暗算しやすいです。

 

そろばんができる人も頭にそろばんが入っているとか言いますよね。

 

それと同じです。

 

自分には無理だと思わないで、是非暗算に挑戦してみてください

 

みなさんも暗算に挑戦してみてはいかがでしょうか

 

 

(終わり)

 

 

ここまで読んでくださってどうもありがとうございます。

 

では。