あしあとのかたち

物理学を学ぶ大学生が思ったことを書きます

2021年が明けました。

こんにちは。

 

あけましておめでとうございます。

 

今年もよろしくお願いします。

 

年末年始は久々に実家に帰省し、のんびりと過ごしていました。

 

(昨年末はバイトで忙しくて帰省できませんでした。)

 

高校まではご飯の用意や洗濯をやらなくていいのは当たり前でしたが、今回の帰省でそのありがたみを強く感じました

 

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ところで、今年の抱負は…

 

 

特にありません。

 

思い浮かびませんでした。

 

新年1発目のブログは抱負や目標みたいなのを書くのが筋かなと思って書こうとしましたが、僕はこれまで ”今年は○○な一年にしたい” と思ったことがなく、いくら考えても何も出てきません。

 

まぁなんかいつも通り頑張っていきたいです。

 

強いて言うなら今年は論文を読んでみたいと思います。

 

(思い浮かびましたね。)

 

僕はここ1,2年間物理の勉強をしてきました。

 

既存の物理の勉強をすること自身、興味深い理論や考え方に触れることができて面白いし、その下積みがないと自ら何かを考えることは難しいということを頭では分かっています。

 

しかし、何かわからないことを自分の頭で考えたいと思って物理の道を選んだ身からすると、もうすでに出来上がった理論を勉強するのは未知のものを理解するという観点だけで見るとどうしても面白みに欠けるところがあります。

 

まずここで、

なぜ物理を研究するには長い下積みが必要なのか?

について説明します。

 

その理由の一つに物理学の歴史の深さがあると考えています。

 

物理学は他の学問と比べてかなり歴史のある学問です。

 

物理学をどう定義するかでその歴史の深さに大きな違いが出ますが、数学や実験によって自然を考察することを物理学とすれば、それは1600年頃のガリレイに始まるそうです。

 

数学や実験を抜きにして自然現象を考察することはこれよりもまた2000年ほど前から行われていたそうです。

 

ソクラテスとかアリストテレスとか)

 

それから時を経て、高校でも少し習うニュートン力学はその名の通りニュートン1800年頃に考えたそうです。

 

ガリレイの現代で言えば比較的簡単な実験からニュートン力学までは約200年のギャップがあり、あまり進歩していないように思われるかもしれません。

 

しかし科学の進歩は指数関数的な増加とまでは言えないかもしれませんが、実験技術の向上などの理由で進歩するにつれてそのスピードも大きくなります

 

その後、1900年に量子力学という現代物理の基礎となるものがプランクの研究から始まりました。

 

このころ産業革命がおこり工業が盛んになると、溶鉱炉の温度を知る必要が出てきて、当然温度計ではそんな高温は測れず溶鉱炉から放射される電磁波から温度を測るということを試みましたが、この電磁波のエネルギーを従来の物理では説明できないということから量子という概念が導入されました。

 

(ちなみに量子という言葉は連続ではなくてとびとびであるという意味です。)

 

よって僕は現在1900年代初頭の物理を勉強していることになります。

 

 

asiatonokatati.hatenablog.com

 

(この記事の中で僕が勉強していることを少し書きました。)

 

現在はそれから約120年が経ち、今の僕では全く理解できないことが研究されています。

 

現代の最先端の問題を考えるにはこれまでの諸物理学者が提唱した理論の道のりを一歩ずつ踏みしめなければなりません。

 

もちろんそれ以前のすべての物理を知る必要はありませんが。

 

なのでしばらくは自分で何かを研究するということはできないと思います。

 

しかし自らでなくとも、先人がああでもないこうでもないと言いながら理解しようとするさまを体感することは可能だと思います。

 

どういうことかと言うと、これから学ぶであろうことが最先端と位置付けられていた当時の研究者たちが悩みながら理解しようとしてきた思考の跡を当時の論文からたどれるのではないかということです。

 

そうすることで、現代では教科書として分かりやすくまとめられたものからは学ぶことができない何かを知ることができるかもしれません。

 

こういう理由で論文を読んでみたいと思いました。

 

読んでみたいと思うのは簡単ですが実際はなかなか難しいと思います。

 

何が難しいかと言うと、英語で書かれていること教科書ほど内容がまとまっていないことです。

 

まず英語の問題としては、論文の文章はある程度決まった言い方が多いので文法はいいとして、専門用語や英語ならではの言葉のニュアンスが挙げられます。

 

専門用語はその都度調べれば何とかなるかもしれません。

 

しかしニュアンスについては、普段日本語の教科書を読むときも、著者や訳者の日本語のチョイス次第で腑に落ちたり誤解したりするので、ニュアンスの問題が英語を読む上で一番心配です。

 

そして、まとまりのなさというのが一番の困難のような気がします。

 

以前大学の講義でグループで論文を読んで発表することがありましたが、一番きつかったのは参考文献や引用が多くて、前提知識が何なのかが分かりづらいということでした。

 

こればかりは論文によって変わってくると思うので、何とか粘って読んでいきたいと思います。

 

以上で新年の抱負はおしまいです。

 

 

 

 

”論文を読んでみたい”ということを伝えるだけでこんなに長くなってしまい申し訳ありません。

 

ただ、物理を学ぶ人間としてはその面白さ(までいかなくとも大きな成果の一部)を、今まで物理に縁がなかった方にも知ってほしいという気持ちがあります。

 

これからのブログでもやたら脱線することがあるかもしれませんが、隣に座っている人の独り言が少し耳に入ってきた程度で聞いてくださるとありがたいです。

 

今後は書評や自分なりの意見などを書いていこうとは思っていますが、最近少し書くネタがなくなりつつあるので、もし書いてほしいことがありましたらお教えください。

 

今月末は試験があるのでなかなか投稿できないかもしれません。

 

 

ここまで読んでくださってどうもありがとうございます。

 

では。